Bodegas Los Bermejos / ボデガス・ロス・ベルメホス

生産者の紹介

Spain Lanzalote / スペイン ランサローテ

6年にも及ぶ壮絶な火山噴火が与えた奇跡のテロワール「ランサローテ」

ランサローテ島はカナリア諸島無人島を含む13の島で最も東の島で
人口は13万人 島自体の歴史は1100万年前から存在していたとされる。

1730年9月1日~1736年に、なんと6年間も続いた火山の大噴火を起こした。
住民は飢餓と移住を余儀なくされたと歴史に刻まれている。

その代償として得たものは世界に類を見ない圧倒的な火山性土壌と急速に発展していった一大観光地。
島そのものが溶岩、火山岩、火山灰で構成されていて、作物も育ちにくくサハラからの45℃にも及ぶ熱風が吹く乾燥地帯​。
ランサローテ島の40%が自然保護区となり保護管理されている自然そのものの島。
創造を絶する景観、綺麗なコバルトブルーの海、自然のままの土地は一大観光地となった。

地殻を形成する為に必要なケイ酸(二酸化ケイ素)別名シリカをふんだん過ぎる圧倒的な量を持つマグマは、まさしく大地の源であり、絶大かつ壮大なる自然の猛威のパワーと言える。

また、隆起により海底に蓄積した養分、微生物、海洋生物や貝類からのミネラル、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム等々が塊のまま地表、地中に押し上げられ存在する火山の恵みは、何にも替え難い特産である。
年間雨量は150mmと極めて少ない。

ロス・ベルメホス

ボデガス・ロス・ベルメホスはランサローテの中心ティマンファヤ国立公園内にあるサン・バルトロメという地区ラ・ゲリア自然公園の境界線上に位置するユニークな場所にあり、火山の麓に自社畑とワイナリーを構えている。

ボデガは1920年に建築し、何世紀にもわたって、ワイナリーはランサローテ島の最も重要な家族の1つに属していましたが、長い間活動を停止していました。
2001年、新世紀の夜明けと共にワイン造りを大々的な設備投資と共に再開の扉を開いた。
伝統と実績を持つ彼らは、瞬く間にランサローテ島のトップのワイン醸造学のリーダーの1人になった。

現在20ヘクタール、生産能力は65万リットル タンクは18,000リットル×2、20,500リットル×4、18,500リットル×10、9,000リットル×4、21,000リットル×6、 5,500リットル×4、2,500リットル×4、10,000リットル×8、15,000リットル×2、1,250リットル×10、1,000リットル×26 という様々なサイズのステンレスタンクを所有。

フレンチオークの樽は70樽。
ワインの種類をタイプに分けてレア葡萄や少量生産ワインに対応出来る設備体制だ。
1ヘクタールあたり、僅か800本の樹から1000kgと言う非効率の塊の手作業で生産している。

まるで火星の様なクレーターの畑には度肝を抜かれる!

畑で開いた口がふさがらなくなる事は今までなかった。
ドウロの段々畑の美しい景観とは、相対的に感じるのは、へんてこな穴凹、アリジゴク、火星、クレーター。
「えっなんだこれ?畑?」と言った疑念的感想を誰もが描くだろう。

カナリア諸島は常夏と言うより常春で過ごしやすいが春と夏に45℃にも及ぶサハラからの熱風が吹く。
ランサローテの人々は島人らしく飲んべえで明るい性格で、
「ランサローテでは、いくら酔っぱらっても木々を見れば迷わず家に帰る事が出来る」
という言葉があり、その理由はランサローテの木々を見れば南側は焼けているからだそうだ。

木々すら焼けてしまう熱風は、葡萄の樹や葉などいとも簡単に焼いてしまう。
葉が焼ければ光合成が出来なくなり葡萄の糖は造られない。
だからランサローテの畑は穴という穴、火山岩と火山岩の間や、平地には穴を堀り熱風から隠れながら生きている。
平地に作る穴は、もちろん手作業で掘り、大きなもので深さ4メートル、直径6メートルにも及ぶ。

灌漑も不可、農作機すら入らない完全なる手作り。

水も撒けないし、雨は殆んど降らないが、火山岩、火山灰はスポンジの様に水分を吸い込み保水してくれる。
穴を掘らないと45℃にも及ぶ春夏の貿易風に葉だけではなく、樹も焼けてしまう。

円錐状に掘られたアリジゴクの様な形は、朝と昼の寒暖差が極めて激しい為に生まれる朝露を1日1回限りだが、効果的に根に与える。

唯一の水分、命の水だ。

島ワインなのに海を見た事が無い、海を一生見る事は出来ない葡萄。

島ワインなのに海を見た事が無い、
島の住人であっても海を一生見る事は出来ない。

隣の奴(葡萄)はどんな奴だろうと思っても一生顔も知らないし判らない。
誰とも会わず、殺人鬼のスナイパーから逃げ隠れ、
怯え忍ぶように孤独にひっそりと生き続ける。

顔を出せば途端に焼かれ殺される。。。。
100年間彼らは熱風と言う殺人風から隠れ続けるのだろう。

そう思うと世界一かわいそうな葡萄に思えるが、醸造家のイグナシオはこう語る。

しかしランサローテの島の人々はこの葡萄の事を

『真のワイン醸造の為の宝石』と呼び、宝物の様に大切に扱っている。
ランサローテの葡萄は全て自根で全てが完全なる手作り葡萄だ。

特異稀なる土壌、テロワールから葡萄自体も長い長い時を経て進化を遂げて生き延びてきた。

そのままで最高の宝石の葡萄だ!
加工色付けなどは、おこがましい、修正やデザインも必要ない。
そのままの魅力を自然のまま100%出す事が私に与えられた最高の仕事なんだと…

この局地的テロワールの葡萄を心から崇拝している。
ひょっとして、この孤独の葡萄は最高に幸せ者なのかも知れないと感じた。

インポーター:ヴォガジャパン

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