恵比2(恵比寿2丁目)の天然スポット

洗練された大人の街・恵比寿と広尾の中間、都会の喧騒から少し離れた静かな一角に佇むのが、2024年 3月にオープンして以来、界隈で話題の「岡飯(OKAFUN)」。ナチュラルワインと店主・岡本さんが丁寧に作る点心、中華風の小料理、そして穏やかな時が流れる心地よい空間が、訪れる人々を魅了している。
伝説の岡本焼売ここにあり

岡本さんの前店は、渋谷の昭和の面影を残す長屋に小さな飲食店が軒を連ねる、ノスタルジックなのんべい横丁にあった。その時代から根強い人気を誇る蒸籠の逸品が、この焼売である。化学的な添加物を排除した厳選食材を使用し、注文を受けてから一つ一つ丁寧に包み上げる。下に敷かれた大根とお肉のジューシーな食感、そしてほのかに香る爽やかな香草の風味が、シンプルでありながら深い余韻を残す一品だ。
岡本焼売 進化系Ver.2

開店から 1年足らずの岡飯だが、客層は実に多彩だ。のんべい横丁時代からの常連、ナチュラルワイン通、飲食業界関係者に加え、昨年港区女子の間で人気のメディアに取り上げられたことで、若い世代も。様々な業界の老若男女がカウンターに集う。「焼売は人気ですが、常連のお客様のために新しい味も」という思いから生まれたのが、岡本焼売第二弾の餅米焼売。蒸すことで封じ込められた旨みと、愛らしい形は、チャーミングなナチュラルワインとの相性抜群だ。
「みんなが食べたいものを作りたい」

コロナ禍にのんべい横丁で店を営んでいた岡本さんが、一貫して大切にしてきた想い̶それは「みんなが楽しく食べたいと思えるものを作る」こと。木札に手書きで記された小料理の数々は、素朴な中にも白砂糖の代わりに甜菜糖を使用するなど、調味料にまでこだわりが光る。
中華風クレープ

看板メニューの一つが、この中華風クレープ。両手で包んで食べる style は、北京と台湾の食文化を恵比寿流にアレンジした、まさに「恵比2点心」と呼ぶにふさわしい一品だ。
岡飯のナチュラルワインセラー

赤、白、オレンジと、その日のおすすめをグラスで楽しめるのは嬉しいが、セラーにはナチュラルワインファンが見逃せない珠玉のボトルも。岡本さんは料理との相性を考えながら、一人一人に最適なボトルをセレクトしてくれる。
本日、最初に紹介してくれたのは長野の斉藤葡萄酒。これがあったらとりあえず岡本さんの料理が一通り網羅できそうである。果皮と種ごと醸し系の一本。
今日の岡ちゃんお勧めボトル

Saitobudosyu Gewurztraminer Pinot Gris
生産者: 齋藤葡萄酒
国: 日本・長野県安曇野市
品種: ゲヴュルツトラミネール 70% ピノグリ 30%
Il Mailo Campo di Ponte 2021
生産者: イル・マイオーロ
国: イタリア エミリア・ロマーニャ
品種: モスカート、ソーヴィニヨン・ブラン、マルサンヌ、マルヴァジア
Domaine Les Bottes Rouges -Neo-2020
生産者: Les Bottes Rouge
国: フランス ジュラ アルボワ
品種: ピノノワール
岡飯の岡ファン

愛情たっぷりの料理の腕前はもちろんのこと、岡本氏の人柄もまた、この店の大きな魅力の一つ。さりげない気配りで居心地の良い空間を作り出している。カウンター越しに交わされる会話は、まるで古くからの知人との語らいのように温かく、料理と共に心も満たされていく。それこそが、岡ファンが絶えない理由なのだろう。
カウンター中心の店内

岡飯は、単に食事をする場所や飲み屋ではない。8席のカウンター席で味わえるアットホームな雰囲気も大きな魅力の一つだ。
隠しきれない隠し部屋の2階

店に来たことがあれば、4人以上で特製火鍋やボトルワインが楽しめるプランもあるとか… まずは、岡本さんに会いに行こう!
Interview / photo / text
山脇ミチル|Michiru Yamawaki
岡飯(OKAFUN)
住所 渋谷区恵比寿 2-26-6
電話番号 050-3188-8124
営業時間 16:00〜22:00(火ー水ー木)
15:00〜23:00(金ー土)
定休日 月曜・日曜
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※お店の情報は取材を行った(2025 年)のものです。
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