ナチュラル(ナチュール、自然派)ワインとは

ワインの豆知識

近年日本でも人気が集まっているナチュラルワイン。男性だけでなく、女性にも注目されはじめています。
レストランやワインバーでも取り扱いが増え、カジュアルに楽しめるようになりました。また、家飲みで手作り料理と一緒に寛ぎながら・・・。など、より一層嗜み方も広がっています。
そんなナチュラルワインですが、そもそも「ナチュラルワイン」とは、一体何でしょうか?一般に発売されている普通のワインとの違いや、ナチュラルワインの条件など、分かるようで分からない・・・。そんなナチュラルワインについて、基礎的な情報をまとめました。

(1)ナチュラル(ナチュール、自然派)ワインとは?
(2)ナチュラルワインの条件
(3)ビオワイン、オーガニックワインとの違い
(4)一般のワインとの違い
(5)相場価格は?どこで買えるの?


(1)ナチュラル(ナチュール、自然派)ワインとは?

ナチュラルワイン(Natural Wine)は英語で、日本語ですと「自然派ワイン」、フランス語ですと「ヴァン・ナチュール(Vin Nature)」と呼ばれています。
これらは呼び方の違いであり、基本的には同じワインを指しています。ナチュラインの明確な定義はなく、“自由なワイン”とも呼ばれています。ブドウの栽培、醸造方法、生産者のこだわりなどが「自然派であるワイン」がナチュラルワインと言ってもよいでしょう。


(2)ナチュラルワインの条件

ナチュラルワインには、はっきりと決められたルールがありません。ですが、一般的に生産者の間で共通認識とされている条件があります。それは「栽培方法」「醸造方法」の2つです。
自然の恵みと力を借りて化学物質を使わずに栽培し、発酵させ、ぶどうの個性を最大限に引き出すように造られたものがナチュラインです。また、生産者の強いこだわりも感じられる個性的なワインでもあります。

ブドウの栽培方法について

ナチュラルワインに使用されるブドウは、主に2種類の方法があります。「ビオロジック農法」と「ビオディナミ農法」です。

ビオロジック農法

フランス語で、「ビオロジック(biologique)」と呼ばれ、有機農法を表しています。有機農法の定義については、主に下記が指定されています。
・化学肥料や農薬(殺菌剤、防黴剤、殺虫剤、除草剤など)を使わない
・肥料は認証された有機肥料で行う
・遺伝子組み換え技術を利用しない
EUの規定では、上記有機農法に転換後3年以上経過してはじめてビオロジックとして認証されます。

ビオディナミ農法/バイオダイナミック農法/バイオダイナミクス農法

「ビオロジック農法」を基本にして、下記のようなスタイルをとっています。
・「播種カレンダー」を利用し、月の満ち欠けをによって種まきや収穫の予定を決める
・様々な植物の栽培や家畜を飼い、できる限り自然に近づける
・肥料は天然由来のものを使い、生態系のバランスを保つ
オーストリアのルドルフ・シュタイナー博士が提唱した有機農法で、生産システムを一つの生命体としてとらえた循環型農業です。「ビオロジック農法」よりも毎日の手入れが大切になり、とても手間がかかる栽培方法です。

ナチュラルワインの醸造方法について

ナチュラルワインは、酵母の種類と酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用量が一般のワインと異なります。

酵母

酵母は一般的に使用される培養酵母ではなく、ブドウの果皮や畑、醸造所などについている自然酵母を使用します。その土地の特性が大きくワインに反映されるため、それが個性となり、魅力的なナチュラルワインとなります。

亜硫酸塩

一般に使用されるワインの品質を保つための酸化防止剤(亜硫酸塩)を極力使わない、または控える傾向が多くなっています。添加量を抑えることで、瓶の中の酵母が変化を起こし、時間により風味が変わっていく様を楽しむことも、ナチュラルワインの面白さであり、興味深い特徴です。


(3)ビオワイン、オーガニックワインとの違い

ナチュラルワインの中にも、「ビオワイン」「オーガニックワイン」と呼ばれるものがあります。

ビオワイン

日本では明確な定義がされておらず、認証の必要がないため、自然農法または有機栽培で育成したブドウを原料にしたワインを「ビオワイン」と呼んでいます。一方、有機JAS認定などを取得しているワインは「オーガニックワイン」と表現します。
EUでは、「ビオワイン」という表現には明確な決まりがあり、「ビオロジック農法」や「ビオディナミ農法」を行っているものを「ビオワイン」と呼んでいます。「ビオワイン」を名乗るためには認証機関の認定が必要になります。認証機関は世界各国に設置されています。

オーガニックワイン

ビオワインと似た分類として「オーガニックワイン」という言葉もよく耳にすると思います。オーガニックワインは国ごとにオーガニック表記に関する決まりが異なり、ビオワインよりも規定が厳しいというのが一般的な認識です。オーガニック農法で栽培されたブドウを使用し、オーガニックの規定に準じて醸造しています。
さらにオーガニック認証機関から認証を取得したものをオーガニックワインを呼んでいます。一般消費者にもオーガニックワインということが分かるように、認証マークがついています。


(4)一般のワインとの違い

一般のワインと、ナチュラルワインの違いは何でしょうか?それは、酵母の種類と酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用量に違いがあります。ナチュラルワインと違い、一般のワイン造りは培養酵母を広く使用しています。酵母の株は様々な特性の違いがあり、生産者の環境やブドウの品質によって選ぶことができます。
また、一般のワインは大量生産をしているため、ワインの品質を一定に保つ必要があります。そこで、酸化防止剤(亜硫酸塩)を使用し、ワインが酸化により劣化するのを防いでいます。さらに、細菌の増殖防止として、ワイン中に残留している酵母の活動をおとなしくさせ、再発酵して瓶が破裂してしまうことを防いでいます。
亜硫酸塩はブドウが発酵する際に自然と生成される副産物でもあり、亜硫酸塩を無添加としているワインであっても、必ず亜硫酸塩は含まれています。どうしても酸化防止剤(亜硫酸塩)というと、頭痛や二日酔いになりやすい・・・といったネガティブなイメージがありますが、ワインに必要な成分である、ということも知っておくと誤解がないでしょう。


(5)相場価格は?どこで買えるの?

ナチュラルワインの価格帯は幅広く、生産量によっても価格に影響が出てきます。安いものでは2,000円代〜高いものでは10,000円以上と価格に幅があります。生産量が少なく、希少価値が高いものは価格も上がりますが、お手頃価格でも美味しいナチュラルワインはたくさんあります。生産者の想いと、ワインの個性を存分に味わえるナチュラルワインですので、気になる生産者や、お好みのワインの種類などから選んでいただくと良いと思います。
購入場所としては、個人で購入するならネット通販が一番種類が豊富で、選びやすいです。身近にナチュラルワインを取り扱っている酒屋さんがあれば、気になった質問にも直接答えてもらえるので、安心して購入することができます。



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初めてでも飲みやすいナチュラルワインも厳選していますので、ぜひあなたにピッタリのナチュラルワインをお選びください。

ナチュラルワインの世界は奥深く、なかなか理解が難しい部分もあると思います。
一番大切なのは、生産者とワインの個性を思い切り楽しむこと!時間とともに風味が変化するナチュラルワインは、飲むたびに新しい発見を運んでくれる、大人の嗜みでもあります。あるがままの自然の恵みをどうぞ味わってみてくださいね。

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