Chateau Meylet / シャトー・メイレ

France Bordeaux / フランス ボルドー


「優しくも圧倒的な存在感を放つサンテミリオン・グラン・クリュの雄」

親から子へと引き継がれてきたこの「サンテミリオン・グラン・クリュ」は、現在の経営者であるミッシェル・ファヴァール氏の祖々父が1875年、織物の商売をする傍ら創立しました。所有する2haの畑は、有名なシャトーが軒をそろえるサンテミリオンの中心地からポムロール方面へ1km行ったところにあります。
1976年に蔵を引き継いだファヴァール氏は、1980年から有機栽培による農法を始め、1987年にジロンド県で初めてビオディナミ農法を取り入れたブドウ栽培を開始しました。世界中で有名なAOCワインの生産者としては稀なケースであり、長年に渡り貴重な経験を積んだ造り手です。

〈栽培・醸造〉

ビオディナミによるブドウ栽培:
自然、宇宙の天体の運行に基づいて栽培を進め、ブドウの樹そのものの抵抗力や生命力を強め、健全でバランスが取れるようにする栽培方法。勿論Chメイレでは化学肥料、除草剤や防虫剤といった合成化学物質は全く使っていません。病気対策には、ビオディナミの認証を受けたボルドー液を用います。

品種構成はメルロー約80%、残りはカベルネフランとソーヴィニヨン。収量を通常の約半分、25hl/haまで抑えて味が豊かで丈夫なブドウを育てています。年間生産量が6000~7000本と極めて少ないワインは、次のようにとても丹念に作り上げられます。

◯ 徹底した選果作業。
◯ ブドウが完熟するまで待って手摘みし、スタッフ一人ひとりが、ブドウを摘んだその場で未熟果や腐敗果をとても厳しく取り除く。
◯ 摘んだ房が積み重なってブドウの粒がつぶれないように、底が浅く小振りの手さげ箱に入れる。その上、箱の底に土が付着しないように、箱を乗せる枠を使うという独自の工夫をしている。このようにしてピュアな果実味を引き出すために、ブドウが傷まないよう、また汚れないように細部にまでこだわっている。
◯ 発酵槽がいっぱいになる量のブドウが収穫されるまでの間、先に醸造所に運ばれてきたブドウはドライアイスの粉を振りかけて低温で保管する。
◯ 房は100%除梗。粒だけを発酵槽に入れる前に、もう一度厳密に選果する。
◯ 除梗された茎は、熟した茎と未熟なものに選別して、熟した茎だけをブドウと一緒に発酵槽に入れる(年によって割合が異なる)。
◯ アルコール発酵にはブルゴーニュ地方のトロンコニック式の発酵槽(115hLの大樽)を使う。
◯ 天然酵母によるアルコール発酵。
◯ ルモンタージュは抽出が強いためしなくなった。その代わりピジャージュをゆっくりと行う。
◯ タンニンを出しすぎないように、サンテミリオン地区では短めの3週間のマセラシオン。
◯ 熟成はアリエとリムーザン産の樽(新樽率20~30%+1~4年樽)にて20~24カ月。
◯ 澱引きの際に、ポンプを使うとワインを痛めるため、「シェーブル」と呼ぶ昔ながらの機械とロウソクを使い、一樽ごとに重力を生かした手作業で行う。(これは規模が大きなボルドー地方では、早くに止めてしまった方法)
◯ 熟成中に一度も澱引きをしないため澱が多く、熟成させた樽からは直接ブレンド用のタンクに移せないため、一旦熟成の時と同じ小型の樽に澱引きする。
◯ こうして澄んだ部分を取り出した後、窒素ガスを使って木樽の中のワインをゆっくり押し出すようにしてブレンド用のタンクへ移す。この際、ブレンド用のタンクは窒素ガスを充填して無酸素の状態にしておく。
◯ 清澄・ろ過をせずにビン詰め。
◯ ビンを一度洗浄して、水切りしてからビン詰め。(本来、仮栓が付いていないビンは、新品でも洗浄することが義務付けられているが、これを実施する人は少ない)
◯ ビン詰め後、カーヴで6~8年静かに瓶熟成させてワインが飲み頃を迎えると販売開始。年によって熟成期間が違うため、年号順に販売されるとは限らない。
◯ SO2の使用について。
以前は瓶詰め前にSO2を20mg/L入れていたが、今は直接入れることは無い。熟成用の樽にワインを入れる前と、熟成後に別の樽に移し変える前に、空の木樽を硫黄で燻蒸するだけ。
ファヴァール氏は物静かで繊細な人柄ですが、ワイン造りの情熱は驚くほど強い人です。栽培面積といい設備もさることながら、彼の緻密なワイン作りは、間違いなく職人的だといえるでしょう。こうして出来上がるChメイレは、ビロードのように滑らかでフィネスがあり、彼の人柄が映し出されています。

インポーター:W

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