Prosa Frizzante Rose / プローザ・フリッツァンテ・ロゼ 2021
醸造方法
8月上旬収穫
除梗後、ステンレスタンクで4時間醸し
空気圧式圧搾
ステンレスタンクで発酵後、シャルマ方式で二次発酵
無濾過・無清澄
残糖:9g/L
SO2瓶詰め時:40mg/L トータル:87mg/L
ワイン情報
ノイジートラーゼ湖東岸ハンガリー国境でマインクラングが育てるすべての黒ブドウを除梗しステンレスタンクで醸し後プレスし発酵、シャルマ方式で二次発酵し瓶詰めしました。
綺麗なサーモンピンク色、白いちごやフランボワーズ、若葉、バラのアロマ、柔らかい泡が拡がり、アタックは心地よくスムーズな口あたり、アフターは摘みたてベリーの甘酸っぱさがアクセントとなっています。
生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)
彼らに出会ったのは、フランス・アンジェでのルネッサンス・デ・アペラシオン。
オーストリアコーナーでSuper Star達のワインから名前も知らない生産者のワインまで順番に試飲していた際、“んんん…⁉”となぜか引っかかったのがこの生産者。
全種類試飲して“美味しいじゃん!”という思いは膨らんでいき、フィロソフィーや価格も聞いて俄然前のめりとなってしまい、その年の夏に訪問してきました。
シュタイヤーマルクから北東へ上がっていくコース取りをとった為、一度ハンガリー国内へ入ってのオーストリア再入国。
オーストリアと旧東側国ハンガリーとのあまりの雰囲気の違いと物々しい国境跡に驚いたのもつかの間、国境から車で5分10分足らずの村にお目当てのヴァイングートはあります。
ヴァイングート・マインクラングは世界遺産ノイジードラーゼ湖の南東岸、ハンガリー国境すぐそばのバムハーゲン村に位置しています。
ヴァイングートを開設する2001年まではミヒリッツ・ファミリーが代々営む複合農家で、小麦などの穀物栽培、リンゴなどの果樹栽培、牛、豚、馬、羊等の牧畜業が中心でした。
歴史は非常に古く数百年も以前から農業を生業としてきております。
現在は、これらワイン以外の農業が、ビオディナミで育てるブドウ畑に多大な恩恵をもたらし密接な関係性を保っております。
ヴェルナー、ハンネス、ルーカスのミヒリッツ3兄弟で複合農園を両親から引継ぎ、ブドウ栽培・ワイン造りはというとヴェルナーと妻のアンジェラが担当しております。
30年前は40haだった農園も現在は2500haにまで広がり、その90%以上はハンガリーに所有しております。
ブドウ栽培の中心はもちろんノイジードラーゼ湖南東岸で、ここは粘土砂質土壌。
ハンガリーにもDO Somloに火山性土壌のブドウ畑を2ha持っております。
ご存じの通り、オーストリアはビオディナミの提唱者ルドルフ・シュタイナーの出身国です。
この国は、ヨーロッパで最もビオディナミ、ビオロジック農業が浸透しているのはもちろん、ブドウ栽培とワイン造りを自身の複合農業と密接に絡ませて生物多様性・循環性を実現させているワイン生産者が非常に多い国です。
ミヒリッツ家も1980年代よりビオロジックに取り組み始めていましたが、この頃ワイン造りは本業ではありませんでした。
ヴェルナー&アンジェラ夫妻がドイツでワイン造りを学んだことがきっかけとなり、ブドウ栽培・ワイン造りの道を歩み始めます。
2001年にヴァイングート・マインクラングを開設しました。
かつてビオディナミ農業の経験がある妻アンジェラの知識と経験を取り入れビオディナミを実践していきます。
ビオディナミ農法の大きな特徴の一つであるプレパラシオンも自家製です。
例えば、自らの農園で育てたアンガス牛の角と牛たちが自農園で食べた牧草が糞となったものを500番調剤として使用しています。
このアンガス牛は彼らのワインラベルのモチーフとなっています。
牛がブドウ・ワイン造りにおいて彼らの重要なパートナーであることはもちろん、ミヒリッツ・ファミリーのDNAに刻まれている生物多様性・自然循環型農業を継続するうえで、牛が非常に重要な役割を担っているからです。
デメテール認証をもつ彼らはいうまでもなく農薬、化学肥料、除草剤など科学的物質は畑に一切とりいれません。
畑はいくつかの池、ソラマメ、スウィートクローバーやレッドクローバー、薬草等なんと300種類近くの自然植物に囲まれ覆われており、それらは昆虫の住みかとなり、土中の有機物を活性化させています。
植物の根が地中深くに伸びることで土壌をふくよかに柔らかく保っております。
同時にこれら植物はブドウ樹にとっては競争者でもあり、お互いが土中の水分と養分の吸収を競い合うことで、ブドウのフェノールとアロマの好生成に深く結びついております。
マルメロ、アーモンド、プラムなどの果樹も畑の中に植わっており、62種類を越える野鳥の餌場となっています。
さらに、これら木々の周りはネズミ、ハリネズミ、テン、ヤマネなどの活動の場、住みかでもあります。
飼っている牛、羊、馬を畑に開放し餌場とさせることで除草剤を使う必要はないですし、彼らの糞尿が畑にとって有益な肥料となり、土壌をより生き生きとした生命力で満たしております。
見事というほかない自然生物とエネルギーの多様性と循環型農業が実現された畑はそれは美しく力強く、僕ら人間ですら肌で感じ取れている気になります。
畑の中で、ブドウと野草や果樹などの植物、昆虫や野生小動物の自然で穏やかな住みかを創り出し、共存させていくことが大地のエネルギーに満ちたブドウ栽培につながると彼らは考えています。
リーズナブルな価格でも味わいにエネルギーが満ちているのは彼らの畑仕事はもちろん、フィロソフィーから来ていることは言うまでもありません。
そんなブドウを使ってのワイン醸造はもちろん皆さんよくご存じのザ・ナチュラルワイン醸造法です。シンプルな造りです。
人為的な介入は極力さけ、瓶詰前の亜硫酸塩をごく少量添加する以外に添加物は一切なし。
天然酵母での自然発酵、ろ過も清澄作業も極力しない、とお馴染みのワードが並びます。
アンガス牛ラベルの通常キュヴェだけでは飽き足らず、彼らは2018ヴィンテージよりさらに冒険・挑戦をつづけます。
グリューナー・ヴェルトリーナー、ザンクトラウレント、ピノノワールの3品種でさらに低収量を実践、900Lの卵型セメントタンクを採用、熟成期間も長くとり、これぞ生粋のヴァンナチュールというキュヴェをも造り出しました。
そのレアなキュヴェをいつか数多く日本に輸入できるようディオニーのオーストリアワインへの挑戦も続きます。
(インポーター様資料より)
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