Domaine Sainte Marie des Crozes / ドメーヌ・サント・マリー・デ・クローズ

生産者の紹介

France Languedoc / フランス ラングドック

伝統の「常識」に納まらない超エレガントビオディナミ

コルビエールの最北端、アラリック山地域のドゥザン村にドメーヌ・サント・マリー・クローズはあります。一族がこの地に移住してきたのは、1604年のことでした。以来、何世代にも渡って、葡萄造りを引き継いでいます。アラリックの名は、西ゴート族の王アラリック2世が自らの名前をこの地に与えたと言われています。王はこの地に宝物を埋めたという伝説があるそうです。

「アラリックの本当の宝とは、この特別なテロワールと際立った動物や植物達です」と彼女たちは語ります。

地中海性の海洋気候であり、暑く乾燥して日照量が多い点も特徴です。畑は山腹の粘土石灰質の斜面にあり、「ガリーグ」と呼ばれるタイムとサンザシの香りが畑を包みこんでいます。

1997年、クリステルさんの父であるベルナール・アリエス氏がワイン造りを引き継ぎます。当時はワイン産地において経済的危機的状況でしたが、ベルナールさんはアラリックの素晴らしいテロワールにふさわしいワイン造りを行い、アペラシオンの地位向上に向け挑戦を始めました。厳しい道のりでしたが、多くのアドバイスに耳を傾け、試行錯誤を繰り返し、伝統的な品種だけでなく、ボルドー系などこの地に適した様々な品種に植え替えるなど多くの事を成しえました。

現当主クリステル

2012年、現当主のクリステルさんが、世界中の生産地で経験を積んだのちドメーヌに参加し、後を引き継いでいます。彼女もまた、アラリックのテロワールを未来につなぐため、父のころから徐々に行っていた有機栽培への移行や自然へのリスペクトを、さらに押し進めると共に、各地の生産者と共に情報交換を行い、そのスキルを高めることに邁進してきました。そして2014年に有機栽培の認証を得た後、2018年から徐々にビオディナミ農法に切替え、2020年デメテールの認証を習得しました。

陽気で明るく、お転婆な少しあっちょこちょいなお姉さんと言うイメージのクリステル。周りからは私のワインはアーティステックでモダンだと良く言われますと自己アピール。はみだし者アウトサイダーの意味を持つラウトサイダーは伝統を重んじるこの他で伝統に伝統に無関係なデメテールのカベルネフランを堂々とリリースしこの他のカベルネ・フランが素晴らしい事、伝統に無かったモダンワインをアピールした。

まさに型破りなモダンワイン

しかしながら忠実なデメテール、ビオデナミック農法に準じ水牛の角に牛糞を入れ土の中で熟成させ、掘り起こし土に撒いたり日本の某メーカーのような水晶パウダーも土に埋めることも無くただ水で薄め散布するような無粋な、真似事の様なものではない。

鹿の膀胱に詰めるノコギリソウは土の硫黄分を与えイラクサを土に埋めて出来た腐葉土は鉄分を家畜の頭蓋骨に詰めたオークの樹皮は植物を活性させ病気に耐性を与える牛の腸に詰めたタンポポは、珪酸=シリカを土に与えカノコソウの花びらから搾った汁は土にリンを与えてくる。露骨で過酷とも言えるビオデナミックの真髄を惜しげもなく突き進めてきた。真似事とは言わせない。

これこそがビオデナックの本体であり、核。だからこそ、この地で革新的なカベルネ・フランが君臨できた。世界の2大黒葡萄のカベルネ・ソーヴィニョンとメルロー両社とも親葡萄はカベルネ・フラン。

つまりカベルネ・ソーヴィニョンの男性的な要素もメルローのしなやかな女性的要素も持ち合わせる。本来強烈すぎる柿渋の様なタンニンを持つカベルネ・フランもこれほど、自然に造れば角も取れて丸くなる。これほど、親しみのわくカベルネ・フランは類を見ないだろう。

抜栓後から膨らんでいくボディと極めつけは甘み。糖分が検出されなかったワインなのに、どんどん甘みが強くなっていく不思議。

伝統的にも、テロワール的にも、味わいそのものも、まさしくはみだし者で完全に独立したとんがりワインだ。この低価格さと、単一葡萄ながら完成されたバランス性で世界中のワインラバーを震撼させているアウトローワイン。

インポーター:ヴォガジャパン

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