設立と哲学(詳細・歴史)
フラム・ワインズは、南アフリカのワイン造りの世界で注目される生産者です。当主のティヌス・クルーガー氏は、南アフリカで長い歴史を持つ『ボッシェンダル・ワイン』で12年間も醸造長を務めた実績を持つ人物で、2013年に満を持して独立を果たしました。
彼は、南アフリカ国内の様々な地域に点在する最適なブドウ畑を探す旅を「航海」と捉えており、自身の湧き上がる冒険心と探求心をワイナリーのコンセプトに掲げています。そのコンセプトは、ラベルに描かれた船の錨(まいかり)のモチーフにも表れています。
フラム・ワインズが目指すのは、「その土地ならではの特色を大切にし、テロワールが醸し出すニュアンスを最大限に引き出し、フレッシュで活き活きとした果実味を楽しめるワイン」を造ることです。
畑・栽培(ブドウの調達とテロワール)
クルーガー氏は自身の畑を所有していませんが、目指すワイン造りに必要な一定の基準をクリアするブドウを毎年確実に確保するために、契約する栽培農家と非常にきめ細かくコミュニケーションを取りながら連携しています。
例えば、シャルドネに使用されるブドウは、白い核果のフルーツのような風味とボリューム感を与える石灰質土壌の2区画から得られています。また、シラーズは、砂質花崗岩や鉄分とミネラルが豊富な南アフリカ特有の土壌である「コーヒーフリップ」(茶褐色の礫岩が混ざる土壌)を持つスワートランドの3区画から調達されています。
醸造へのこだわり
フラム・ワインズの醸造は、その哲学を反映したナチュラルなアプローチが特徴です。
- 樽の使用: シュナン・ブラン、ピノタージュ、シラーズに至るまで、オークの新樽は一切使用しません。これは、テロワールのニュアンスと活き活きとした果実味を優先するためです。
- 添加物の不使用: 酵母、酸などは一切添加せず、清澄やろ過も最小限に留め、自然のままに醸造することを徹底しています。
- 熟成: キュヴェによりますが、例えばシャルドネでは古樽にて野生酵母による自然発酵を6ヶ月間行った後、古樽(400L)でさらに11か月間熟成させます。
このように、ティヌス・クルーガー氏は、契約農家との密な連携と、極力人為的な介入を避けたナチュラルな醸造法によって、ブドウ本来のテロワールの個性を最大限に引き出した、フレッシュで飲み心地の良いワインを世に送り出しています。



インポーター: ラフィネ



