
歴史
ファン・ロッゲレンベルグは、南アフリカのワイン界で最も注目を集める生産者の一人、ルーカス・ファン・ロッゲレンベルグ(Lukas van Loggerenberg)氏が2016年に立ち上げたワイナリーです。
ルーカス氏は、エルセンバーグ大学で農学を学んだ後、タルバッハ地区の「ライクス」、アメリカ・ニューヨーク北西部のAVA「フィンガー・レイクス」での経験を経て、パール地区の「ドラック・マイ・ニエット・ワイン・エステート」でワインメーカーを務めました。
2016年にステレンボッシュで独立し、自身の初キュヴェをリリース。その天性の醸造センスはすぐに花開き、2018年にはワイン評論家ティム・アトキンMW(Master of Wine)の『SA Special Report 2018』において、早くも「Young Wine Makers of the Year(ヤング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー)」に選出されました。
その後も評価は高まり続け、毎年2級格付けであったティム・アトキンMWのレポートで、2022年版についに最上級の1級に昇格を果たし、その地位を確固たるものにしました。2019年にセラーを移転し、現在はパールの地に本拠を構えています。
畑へのこだわり
ルーカス氏は、「自分はワインメーカーというよりはファーマー(農家)だ」と言うほどに、ワインの品質は第一に畑に由来するという信念を持っています。
- 畑への才能: 彼は「素晴らしいポテンシャルを持った畑を見極める才能」があると高く評価されており、自身の信条に基づき、契約農家のもとへ頻繁に足を運び、栽培から収穫まで丹念に取り組んでいます。
- 独立のきっかけ: 特に、フランスのロワール渓谷のカベルネ・フラン(現キュヴェ名:ブルトン)に魅了されたことが、彼が独立を決心した大きなきっかけとなりました。
醸造の特徴
彼のワイン造りは、ブドウそのものの魅力を最大限に引き出す不干渉主義を貫いています。
- 自然な醸造: 酵母や添加物などは一切加えずに醸造を行います。
- テロワールの表現: 畑の選定と自然な醸造手法により、ブドウが持つテロワールや品種の特性をピュアに表現した、エレガントで複雑な風味を持つワインを生み出しています。
主な評価とキュヴェ
彼のワインはティム・アトキンMWによって高い評価を受け続けており、特にシラーやサンソーといった品種で95pt〜97ptという非常に高い点数を獲得しています。
- Breton Cabernet Franc(ブルトン・カベルネ・フラン): ロワール・スタイルに仕上げられたエレガントで複雑な風味が特徴。
- Cinsault: Tim Atkin MWの「Wine of the Year(サンソー部門)」に選出された実績を持つ。
- Syrah: Tim Atkin MWの「Wines of the Year(シラー部門)」に選出された実績を持つ。
ファン・ロッゲレンベルグは、南アフリカの伝統と新しい世代の自然派の哲学を見事に融合させ、世界から注目される高品質なワインを造り続けています。

インポーター: ラフィネ


