ドメーヌ・ド・ラ・マドンヌ

≪歴史とペレオンの偉大なテロワール≫

ドメーヌ・ド・ラ・マドンヌは、ボージョレ地区の南端、ブルイイとコート・ド・ブルイイに隣接するペレオン村を代表する家族経営の造り手です。現当主ブルーノ・ベレール氏は、穏やかながらも強いこだわりを持つ仕事人であり、父ジャン氏と弟オリヴィエ氏と共に、この村の誇りである伝統的なワイン造りの手法と区画を守り続けてきました。

彼らのワインが使用するブドウ畑は、ワインアドヴォケート誌など各方面で絶賛され、「ボージョレのグランクリュ」とも称される見事なテロワールを誇ります。ペレオン村は、ボージョレにおいて11番目のクリュ(特級畑)に昇格する最も有力な候補地とされており、マドンヌはその評価を確立した最大の功労者です。

≪栽培哲学:古樹への敬意と徹底した手仕事≫

マドンヌの畑は、小高い丘陵地の多いボージョレの中でも特に標高が高い350〜550mに位置し、ブドウはじっくりと成熟することで、果実味の強い、力強いワインを生み出します。

  • 超古樹の存在: ベレール家が所有する畑の中には、1880年代に植樹された樹齢130年以上の古樹のみの区画も含まれます。極めて低収量ながら、その凝縮感とエネルギーは格別です。
  • 低収量と遅摘み: 「低収量で完全に熟した実だけを収穫する」のが彼らのポリシーです。このため、多くのボージョレの造り手よりも1〜2週間ほど収穫期が遅くなります。
  • 自然派へのこだわり: 栽培はリュット・レゾネ(減農薬農法)を基本としつつ、3haの区画ではビオディナミ農法を実施。病気が発生してもすぐに農薬に頼らず、徹底したグリーン・ハーヴェストや、腐敗した房を一つ残らず手作業で取り除くといった細やかな手仕事でブドウの健康を守っています。

≪醸造:ブルゴーニュ流の徹底した品質追求≫

マドンヌのワイン造りは、伝統的なボージョレのイメージを一新する、ブルゴーニュ(コート・ド・ニュイ)スタイルを強く意識しています。

  • 徹底した選果: 収穫年の出来不出来に左右されない上質なワインを造るため、コート・ド・ニュイでも使用されるような本格的な選果台を導入。収穫の状態に応じて3〜7回にわたり徹底して選果されます。
  • 全除梗による長期マセラシオン: ボージョレで一般的な房ごと行うマセラシオン・カルボニックの手法は、ヌーヴォーでさえ(「La Vinif à papa」を除き)採用していません。マドンヌは、収穫後ブドウを全て除梗するブルゴーニュスタイルを採用。これにより、渋味や苦味の原因となる梗を取り除きつつ、10〜20日間にもおよぶ長期マセラシオンを可能にしています。結果、エキスがよく抽出されながらも、非常に柔らかで丸みのあるタンニンを持つワインが生まれます。
  • 最新技術の活用: 温度調節機能付きの醸造設備や、必要な場合の乾燥機材など、最新の技術を完備。これらはすべて、野生酵母による自然発酵をスムーズに行い、ワインが本来持つフレッシュな味わいや熟成ポテンシャルを損なわないための工夫です。
  • テロワールのブレンド: 標高や日の当たり具合によって区画ごとに個別に醸造し、最後に各区画の個性を見極めて最終ブレンドを決定。花崗岩質の土壌がもたらすスパイシーさ、骨格の強さ、そして果実味の豊かさが、美しく複雑なバランスで表現されます。

こうして生まれるマドンヌのワインは、これまでのヌーヴォーのイメージを一新する力強い味わいと奥深さを持ち、世界の愛好家から熱い注目を集めています。

インポーター:ミレジム

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