テッラドンナ

≪詳細・歴史≫

テッラドンナは、イタリア・トスカーナ州の沿岸部にあるスヴェレート(Suvereto)に位置する、小さな家族経営のカンティーナ(ワイナリー)です。この地は、DOC Val di Cornia(ヴァル・ディ・コルニア)の伝統的なワイン生産地域の中心であり、2011年にはスヴェレート自体がDOCG(統制保証原産地呼称)に昇格するほど高品質なワインを生み出す地域として知られています。

テッラドンナの歴史は、ワインが経済的価値よりも「家族の団らん」や「もてなし」の象徴であった1950年代に、近隣のカサラッピからロッシ家が移り住んだ物語に始まります。

現在の当主は、ロッシ家の3代目であるアンナ・リーザ(Anna Lissa)氏です。彼女は母親から畑を継承し、この土地に伝わる伝統的な農業文化を学びながら、最新の農業・醸造技術を独自に研究する努力家として知られています。彼女が母親から学んだ最も大切な教えは、「毎年違う自然条件に向き合うための忍耐と粘り強さ」だと言います。

テッラドンナは、2002年から自社ワインの元詰めをスタートし、その品質は2007年にイタリアの有力評価誌『ヴェロネッリ』に初登場で高得点を獲得するなど、トスカーナ沿岸部の「新人王」とも評されました。

≪テロワールと栽培哲学≫

ワイナリーが位置するスヴェレートは、丘々に囲まれ、海からわずか10キロほどの距離にある理想的なテロワールです。この立地が、彼らのワインに独特のミネラル感とフレッシュさを与えています。

  • 土壌: ミネラルが豊富な粘土質、泥質、砂質、石灰質が複雑に混じる構成をしています。
  • 環境: 丘陵地にある畑は、海からの風を受けるため風通しが良く、日照時間にも恵まれています。これにより、ブドウはゆっくりと健全に成熟することができます。
  • 栽培: 栽培においては、土壌の特性を活かし、無理のない栽培を行うことをポリシーとしています。有機肥料のみを使用し、土壌にあったブドウ樹の選択を行うことで、土地の個性をバランスよく発揮させています。

≪醸造≫

彼らの醸造哲学は、「ブドウ自身の力を信じ、極力手を加えない自然に任せた醸造」です。

  • 自然清澄: 濾過機を使わずに、自然な状態でワインを清澄させます。
  • 醸造容器: 赤ワインはセメントタンクでマセラシオン(醸し)を行い、白ワインもセメントタンクで熟成させるなど、温度変化が緩やかでブドウの自然な表現を促す容器を積極的に使用しています。
  • ワインのスタイル: どのキュヴェもふくよかなボディと香り高さを持ち、まろやかなタンニンが特徴です。海風とミネラル豊富な土壌の影響を受け、ミネラル感が強く、余韻の長い仕上がりとなっています。

インポーター:ラ・グリュー

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