サム・ヤング・パンクス

ワイン界の常識を打ち破る異端児:サム・ヤング・パンクスの世界

「真剣なワインを、不真剣な外装で」――そんな遊び心あふれる哲学を掲げるのが、南オーストラリアのワイナリー、サム・ヤング・パンクスです。

「パンクス」による情熱のコラボレーション

2006年、アデレード・ヒルズやマクラーレン・ヴェイルといった名産地を拠点に、3人のワインメーカーが集結しました。

  • コリン・マックブライド: 博士号を持ちながら全身タトゥーという異色の経歴。
  • ジェン・ガードナー: 自他共に認める「酵母オタク」の専門家。
  • ニック・ボーク: 独自の美的センスを持つクリエイティブな仕掛け人。

彼らは伝統に縛られず、自分たちが「カッコいい」と思うものを追求し、オーストラリアワインに新しい風を吹き込みました。

「パルプ・フィクション」と「T’n’T」:物語を飲むラベル

サム・ヤング・パンクスの最大の特徴は、一度見たら忘れられない独創的なラベルデザインです。

  • パルプ・フィクション・シリーズ 「Passion Has Red Lips(情熱は赤い唇)」や「Naked on Roller Skates(ローラースケートで裸)」といった刺激的な名前は、1920年代〜50年代の実在の通俗小説(パルプ・フィクション)にインスパイアされています。
  • T’n’T(トリキシー&テッサ)シリーズ イスラエルの著名なイラストレーター、アサフ・ハヌカが手掛けるこのシリーズは、1950年代のB級映画ポスターやアメコミのような世界観。ヒロインのトリキシーとテッサが巨大なイカやモンスターと戦う、躍動感あふれるアートが施されています。

外見はパンク、中身はガチの芸術品

派手なラベルに目を奪われがちですが、中身は驚くほど本格的です。 彼らは「品質に妥協があれば、パンクの名は名乗らない」と断言します。野生酵母による発酵、バスケットプレス、無濾過・無清澄といった伝統的かつミニマムな手法を採用。

「パッション・ハズ・レッドリップス(カベルネ/シラーズ)」は濃厚で官能的な味わい、「ネイキッド・オン・ローラースケート(シラーズ/マタロ)」は複雑で奥深い余韻が楽しめます。エキセントリックなラベルは、むしろ「ワインはもっと自由で楽しく、クリエイティブなものであるべきだ」という彼らのメッセージなのです。

インポーター:コロニアルトレード

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