カーヴ・アピコル

≪歴史:地質学と養蜂からワインへ≫

カーヴ・アピコルは、ルシヨン地方の内陸にあるアピクロン村で、対照的な個性の二人の友人、シルヴァン氏オリヴィエ氏によって運営されています。

シルヴァン氏のキャリアはユニークです。大学で地質学を学び、自然の中での仕事を経て、32歳で養蜂家として独立しました。独立のしやすさから養蜂を選んだ彼ですが、「小さい頃、みつばちマーヤの冒険が好きだった」という愛着も持っていました。しかし、蜂の大量死などで収入が不安定になった経験から、以前の経験を活かし、2011年にワイン造りを始めました。

オリヴィエ氏は、もともとラングドックのワイン農家の息子でしたが、伝統的なワイン造りの枠に囚われることに疑問を感じていました。2016年、自由な空気感の中で自然なワイン造りを目指すシルヴァン氏と出会い、意気投合。父の元で全てが揃った環境を引き継ぐ道ではなく、シルヴァン氏とコラボし、ナチュラルワインという新しい世界で挑戦する道を選びました。

≪哲学:「API」と「VITICOLE」の融合≫

二人のワイナリーの名前は、彼らのルーツであるミツバチ(API)とブドウ栽培(VITICOLE)にちなんで「Cave Apicole」と名付けられました。

  • 凸凹コンビの相乗効果: 静かでゆったりのんびりタイプのシルヴァン氏と、活動的で決めたことはすぐに実行するオリヴィエ氏という対照的なコンビですが、その違いがパワーを2倍にし、ワインの味わいと人気を上昇させています。
  • 畑のこだわり: 畑では除草剤や化学肥料は一切使用せず、全て手作業で行われます。特に樹齢100年のカリニャン畑をはじめとする古樹の区画を丁寧に管理しています。カリニャン畑は標高127メートルに位置し、風が強く乾燥しているため、病害虫が少なくビオ栽培に適しています。
  • 土壌の対話: 彼らは「ぶどう樹としっかり向き合って声を聞きながら」作業をすると語り、それぞれの土壌や品種、選定法に合わせて、土壌を健全に守るための耕作を定期的に行っています。

≪醸造とワインの特徴:ミネラル感と軽やかさ≫

カーヴは、元々地域の大きな協同組合の醸造所だった場所を使用しており、熟成庫には長く使われてきたコンクリート層の壁に酒石酸が赤ワイン色の地図のような模様となって付着しており、歴史と美しさが共存する空間となっています。

  • 醸造の基本: どのワインも酸化防止剤無添加、フィルター掛けをしないのが基本です。
  • 白ワイン: 手摘み後、白ワインは5~6日のマセラシオン(果皮浸漬)を経て、ファイバーキューヴで発酵・熟成されます。
  • 赤ワイン: ワインや年にもよりますが、マセラシオン・カルボニックで造られることが多く、軽やかなスタイルが目指されています。

彼らのワインの共通の特徴は、ミネラリー軽やかでありながら、塩みを感じる独特の風味を持つ点です。このユニークな味わいは、和食にも合うと評判で、フランス国内はもとより世界でも注目を集めています。

インポーター:ピコルーズ

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