詳細・歴史
オスカル・メストレは、スペインのバレンシア州南部、地中海沿いの港湾都市アリカンテから北へ約80kmに位置する、人口約3,000人のシャロ村(Xaló/ハロン)でワイン造りを行う生産者です。彼の家族は、1921年に祖父の祖父がアルゼンチンからシャロに戻ってブドウ栽培を始めた4世代続くブドウ農家・醸造家であり、ワイナリー「Bodegas Riko Xaló(ボデガス・リコ・シャロ)」を運営しています。
現在は、4代目となるオスカル・メストレ氏と姉のマリーナ氏が中心となり、家族のレガシーを引き継ぎながら、新たな視点と独自のプロジェクトを推進しています。彼らのワイン造りの核となるのは、「ワインを人間らしくする(humanizar el vino)」こと、そして地元にしか植えられていない地ブドウ品種の個性とポテンシャルを最大限に引き出すことです。彼らは伝統を重んじつつ、革新を融合させ、テロワールの本質を伝える高品質なワイン造りに専念しています。
彼らの目指すワインは、繊細でフレッシュ、そして優しく、持続可能な方法で造られた、真のテロワール表現です。
畑・栽培・醸造へのこだわり
オスカル・メストレのワイン造りは、アリカンテの地中海性気候と多様な土壌への深い理解に基づいています。
- 栽培地域: ワイナリーとブドウ畑は、標高約200mに位置し、地中海からわずか数キロメートルの場所にあります。年間平均気温18℃、降水量が少ない乾燥した環境です。また、オスカル氏は平野部の畑とは異なる、標高1,000mを超える小さな谷にあるブドウ畑など、多様なテロワールの区画を見つけ出し、ブドウを育てています。
- 主要品種: 長らく主要品種は**モスカテル・デ・アレハンドリア(マスカット・オブ・アレクサンドリア)で、主に甘口ワインやミステラ(酒精強化ブドウ液)、ヴェルモットなどに使われてきました。現在は、地品種のジロ(Giro)やトレパデル(Trepadell)**といった地品種のポテンシャルを活かしたワインも手掛けています。
- 醸造: 彼らはワインを職人的(artesana)な手法で造っています。微妙で、フレッシュで、親しみやすいワインを目指し、持続可能な方法で生産し、テロワールの真の表現を追求しています。
- 熟成: 熟成には、粘土製のアンフォラ(テラコッタの甕)、500リットルの大樽、ガラスのデミジョン(大きな瓶)、そしてステンレスタンクなど、様々なタイプの容器を使い分け、ワインに複雑さとニュアンスを与えています。
オスカル・メストレは、地中海の風と土壌の個性を映し出し、家族の伝統と若い世代の情熱が融合した、新しいスタイルのアリカンテワインを造り続けています。


インポーター: ラフィネ


