詳細・歴史
アルヘイト・ヴィンヤーズは、南アフリカの西ケープ州、ウォーカー・ベイ（Walker Bay）地区を拠点とするカルト的なワイナリーです。当主はクリス・アルヘイト（Chris Alheit）氏で、彼は現代南アフリカワイン界で最も影響力があり、高く評価されている生産者の一人です。
クリス氏と妻のシュキ（Suki）氏は、南アフリカの古いブッシュヴァイン（株仕立ての古木）の畑が持つポテンシャルに惚れ込み、そのテロワールを表現するために2010年にワイナリーを設立しました。
彼らは、ヨーロッパ、特にブルゴーニュで長年の経験を積んだ後、南アフリカに戻りました。彼のワイン造りの目標は、フランスやヨーロッパの偉大な白ワインに匹敵する、南アフリカ固有のフィネスとミネラル感を持つワインを生み出すことです。特にシュナン・ブランという品種に焦点を当て、忘れ去られていた古樹の畑を復活させ、その真価を世界に知らしめました。
彼らの成功は、南アフリカの「ニューウェーブ」と呼ばれる若手醸造家たちに大きな影響を与え、古木やテロワールを重視する動きの火付け役となりました。
畑と栽培哲学
アルヘイト・ヴィンヤーズは自社畑をウォーカー・ベイに所有していますが、それ以上に、南アフリカ国内のさまざまな地域に点在する、樹齢が高く、管理が行き届いた最良の畑のブドウを厳選して使用します。
- ブドウ品種: 主に**シュナン・ブラン（Chenin Blanc）**が中心ですが、シラーズ、サンソーといった赤ワイン品種や、少量のサヴァニャンなども手掛けています。
- テロワール: 標高が高く冷涼で、海洋の影響を受ける畑を選び、それぞれのテロワールが持つ個性を最大限に引き出します。特に、キュヴェ名にもなっている**「ハイルクランス（Huilkrans）」**は、アフリカーンス語で「涙する崖」を意味する、特定の高地にある畑のブドウから造られています。
- 栽培: 畑は全て有機農法か、それに準じた手法で管理されています。収穫は手摘みで、ブドウが持つ自然なバランスを保つよう、熟度を注意深く見極めて行われます。
醸造
クリス・アルヘイト氏の醸造は、極力手を加えない自然なアプローチが特徴です。
- 発酵: 野生酵母による自然発酵。
- 熟成: 主に大樽（フーダー）や古樽を使用し、テロワールの風味を覆い隠すような新樽の使用は避けます。
- スタイル: 骨格がしっかりとしていながらも、非常にエレガントで洗練されたフィネスを持ちます。果実の凝縮感と共に、南アフリカの土地から来る特有のミネラル感、柑橘系のフレッシュな酸が際立ち、長期熟成のポテンシャルを秘めています。
インポーター： ラフィネ
