≪歴史と設立者の挑戦≫
「デュ・ヴァン・オー・リアン(絆のワイン)」は、ヴァネッサ・ルトォ氏が2019年に立ち上げた、アルザスを拠点とする気鋭の自然派ワインブランドです。
設立者のヴァネッサ氏は、ワイン業界に入る前は保険業界という堅い仕事に就いていました。しかし、果樹園を経営する父親の影響もあり、農業、特にワイン造りの世界に魅了されます。フランス各地で研修を重ねた後、彼女のキャリアを決定づけたのが、アルザスの偉大な自然派「ドメーヌ・ビネール」が手掛けるネゴスブランド「レ・ヴァン・ピルエット(Les Vins Pirouettes)」でした。ヴァネッサ氏はその立ち上げから約5年間、主にセールスとマーケティングを担当し、自然派ワインの流通とブランド構築のノウハウを深く学びました。
この経験を土台に、彼女は「環境と人々に良いサイクルを造りたい」という強い使命感のもと、自身のブランド「デュ・ヴァン・オー・リアン」を設立。これが「絆のワイン」という名に込められた真意です。
≪哲学:共創と持続可能なサイクル≫
デュ・ヴァン・オー・リアンの活動は、単なる買いブドウ(ネゴス)の枠を超えた、共創(Co-creation)にあります。
- パートナーシップ: アルザスとロワールを中心に、ビオディナミ農法の造り手を含む合計7軒の有機農法のドメーヌと協力関係を結んでいます。
- 技術支援: 彼女のミッションは、有機農法で健全なブドウ栽培はしているものの、「自然なワイン醸造に経験がない」生産者に対し、アドバイスを提供し、共同でブランドのオリジナルワインを造ることです。これにより、有機ブドウが正しく自然な醸造を経てボトルに詰められ、より多くの消費者に届く「良いサイクル」を生み出しています。
- ドメーヌ活動: ネゴス活動と並行して、ロレーヌ地方に自社畑も所有しており、ドメーヌもの(自家栽培・自家醸造)のワイン造りにも意欲的に取り組んでいます。
≪ワインスタイル:ピュアな果実味とフィネス≫
ヴァネッサ氏のワインは、ピルエット時代に培ったノウハウと、ブドウ農家との緊密な連携により、ピュアでテロワールを表現したスタイルが特徴です。健全な有機栽培ブドウと、自然酵母による最小限の介入で造られる彼女のワインは、アルザスやロワールの土着品種の個性を引き出しつつ、飲み心地の良さを追求しています。
「絆のワイン」という名の通り、ブドウ農家との信頼、テロワールへの敬意、そして現代的な感性が融合した彼女のワインは、世界中の自然派ワイン愛好家から大きな期待を寄せられています。
インポーター:bulbul









