Saras / サラス 2020

自然派ワイン

醸造方法

9月18日収穫
水平式圧搾と空気圧式圧搾
ステンレスタンクで18ヶ月間発酵・マロラクティック発酵・熟成
無濾過・無清澄
瓶詰め:2022年3月30日
SO2は収穫時:40mg/L 熟成中:40mg/L 瓶詰め前:40mg/L トータル:150mg/L

ワイン情報

ヴィーニョ・ダ・テーラ・ド・バルバンサ・エ・イリアという沿岸部から車で10分ほど内陸に位置する山に囲まれた緑深い独特な気候の花崗岩やシスト土壌で育ったアルバリーニョをプレスしステンレスタンクで18ヶ月発酵・熟成しました。濃いイエローカラー、メロンや黄リンゴ、ジューシーなブドウの香り、たっぷりとした果実の甘さとほろ苦さ、口中にリンゴの香りが拡がり、ドライで短めの余韻です。

生産者情報(インポータ・造り手・問屋情報)

スペイン最西のワイン生産地ガリシア州から良質でデイリーなアルバリーニョをご紹介いたします。
巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラよりもさらに西、ガリシア州コルーニャ県の最西南部に位置するバルバンサ半島のシエラ・ドゥ・バルバンサ山脈の南麓、海岸線沿いにア・ポブラ・ド・カラミニャルという小さな港町があります。
DOリアスバイシャスには属さないエリアで、Vino de la Tierra de Barbanza e Iria(ヴィノ・デ・ラ・ティエラ・デ・バルバンサ・エ・イリア)になります。
その港町から車で10分ほどだったでしょうか、山のほうへ入ったところに、ワイナリー Entre Os Rios(エントレ・オス・リオス)はあります。
ガリシア語で“2本の川の間”を意味します。
木々に囲まれ、深い緑が広がるその景色は、映画”指輪物語”のエルフが住む森のようで、何とも言えない魅惑的で不思議な雰囲気に包まれており、まるで中世にタイムスリップしたかのようです。

ワイナリーのオーナー Jose Crusat(ホセ・クルサット)は、1年以上セラーでじっくりとねかせたアルバリーニョのみを造っています。
世界的にも大流行のアルバリーニョ、残念ながら早飲みされる機会が多い昨今ですが、彼はブドウも醸造方法もこの土地で昔から伝わるスタイルを貫いています。

(注①)
ADEGA(アデガ) = BODEGA ボデガのことです。アデガはガリシア語です。ガリシア語は現地では「ガレゴ」といいます。
カタルーニャ語が都会や知識階級の人たちの間で使用されているのに比べ、ガレゴの使用は農村部に止まりました。
スペイン内戦後は労働階級(貧困層)の象徴のように思われ都市部ではその使用が避けられたため、カタルーニャ語のように尊重されてきませんでした。
農村では実は結構話されており、小規模生産者、ショップの人たちなどは普通に話しています(弊社パートナーのイアゴやシャビなども)。
逆に話せないと仲間として認めてもらえない(奥まで踏み込めない)、ような雰囲気が感じられることもあるそうです。

(注②)
“Barbanza e Iria (バルバンサ・エ・イリア)”は、いわゆる“IGP(Indicaciones Geográficas Protegidas)” で、“Vino de la Tierra(ビノ・デ・ラ・ティエ
ラ)”と呼ばれる原産地呼称の一種です。
フランスでいうVin de Pays , イタリアならIndicazione Geografica Tipica , ドイツなら Landwein にあたります。
そのため、品種(アルバリーニョ )、ヴィンテージをラベルに明記できます。
DOとヴィノ・デ・ラ・ティエラだけその明記が認められ、ヴィノ・デ・メサではそれができません。 
独特の気候、土壌、栽培方法、品種によって認定され、スペインでは45ほどのヴィノ・デ・ラ・ティエラがあります。
ホセのアデガはこのIGPに格付けされていて、現在4ワイナリーが登録されていいます。
バルバンサはほとんどDOのように機能しているようですが、ワインの格付けをする組織はありません。
(許容アルコール度やエージイングの期間を決めたり、パネルテイスティングをしたりする)

セラーはガリシア地方の伝統的な農家を改築したもので、敷地内に他にも大小いくつかの石造りの小屋が残っています。
一部はホテルとしても使われていて、訪問した際はここに宿泊しました。石造りの建物の一部には、家に流れる川を利用した昔ながらの水車があり、以前は収穫された小麦や
トウモロコシを挽くのに使われていました。
建物の外壁には、サンティアゴ を目指す巡礼街道の目印として使われる、黄色い貝殻の印も見られます。
深緑の木々が美しい林の中にあり、川の流れる音だけが聞こえる特別の環境にあるこの敷地全体は、現当主ホセの父が一目惚れして購入しました。
ホセの父は元々都市部で公証人のお仕事をされており、パンを買いに行くつもりが道に迷ってエントレ・オス・リオスに着いてしまい、相続人がいない老夫婦オーナーの話を聞くうちに敷地・建物・歴史が大好きになり、その場で購入してしまったそうです。
敷地は4.5 haあり、内ブドウ畑は1.1ha。
残りの敷地には、セラーを始め、かつては家畜を飼っていた家畜小屋、倉庫があるほか、野菜畑、牧草地があり、敷地全体が生育バラ ンスの取れた恵まれた環境下のもと、農園として機能しています。
全1.1haの畑は豊かな緑の林に囲まれており、ワイナリー名の通りすぐそばに2本の綺麗な小川も流れています。
自生品種のアルバリーニョとラポソ(レイシティモまたはブルペスとも呼ばれる)が植えられており、いずれもこの地方にある古くから伝わるクローンが使われていて、樹齢は25 ~ 100年です。
ホセの父がこの土地を購入した際、この地域にある自生のアルバ リーニョにこだわり、古い農家を訪ねてはその苗木を分けてもらったそうです。
現在でもホセがその姿勢を受け継ぎ、自分の畑のみならず、バルバンサ・エ・イリア自生のアルバリーニョを栽培している他の農家の畑も管理しているそうです。

ホセのワイナリー では、全てのワインに買いブドウがブレンドされています。
生産ワイン全体の30 ~ 33%が買いブドウですが、ホセと同じように除草剤・殺虫剤は一切散布せずに栽培している農家からのみ購入し10年以上の取引があります。
ホセも取引のある農家もこのエリア自生のクローンに拘っています。
ブルペスというキュヴェに使われているラポソの樹齢は50 ~ 150年、アルバリーニョでも25年以上の樹齢の畑ばかりです。
このエリアはDOリアスバイシャスに属さないため、比較的高額でブドウを購入してくれるDOリアスバイシャスの生産者にはブドウを売ることができません。
そのため、自分でボトリングできない生産者は、経営が立ち行かなくなり、多くのブドウ生産者が政府の援助金目当てにブドウ樹を抜かなければならなかったという経緯があります。
他のスペインの生産地でもよく見られますが、生産量の少ない畑を見限ると助成金がでるため樹齢60 ~ 100年近い畑を失ってしまうブドウ農家が結構いました。
そのため、バルバンサ・エ・イリア独特のアリバリーニョの生産量がごく少量になり、そのワイン造りの伝統が絶たれそうになりました。
そのことに心を痛めたホセの父は、ブドウを正当な値段で購入し、良質・個性豊かなワインを造ることで、ブドウ生産農家に安定した収入を与え、バルバンサのワイン造りの伝統を将来に繋げていこうとしました。
現在ではその動きが数件の生産者にも普及し、ブドウ生産農家が大切にしている自生のクローンを応援するためそのブドウを積極的に購入しているそうです。

バルバンサ・エ・イリアは海沿いにあり、山の麓に位置します。湿度の高い独特の気候は、 ブドウ栽培において最大の敵であるカビの発生しやすいテロワールといっても過言ではありません。
粘土質に花崗岩が混じった土壌に、日本と同じ棚作りでブドウが栽培されています。
畑は耕さないため、色とりどりの花が咲き乱れ、カビや害虫がブドウ樹に集中するのを防いでいます。
また、夏の初めに蔓の先端を剪定することで樹勢が抑えられ、また風通しが良くなる事で自然とカビや病気に対する抵抗力や環境が整えられています。
化学肥料、除草剤が畑に散布されることは一切ありません。
収穫後からは、ヤギが畑に入って下草を食べてくれます。
一部抗カビ剤が散布されるため、オーガニックには認定されていませんが、毎年その使用量は減少しています。

敷地内のセラーの外壁には台木に使われるアメリカ品種のぶどうが茂ります。
直射日光を遮断し、冬の寒さも防ぐことで、セラーの温度が自然に一定に保たれるよう工夫されています。
セラーの中には様々なサイズのステンレスタンクやオーク樽が所狭しと置かれていて、アルバリーニョの持つ個性と特性を生かすため、様々な醸造方法が試されます。
父の代から造られてきたアルタル・デ・ポスマルコスというキュヴェをはじめ、スタンダードなアルバリーニョをステンレスタンク、または樽を使ってじっくりと寝かせて造ります。
ホセの始めた、コモカブラスというカテゴリがあるのですが、50%のワインのみを長期シュールリー熟成させたり、マロラクティック発酵せずにおいたワインをブレンドして造られたり、アンフォラを使ったり、マセラシオンしたり、ペットナットを仕込んだりetc、スタンダードなラインとは好対照な遊び心溢れるワイン達のシリーズです。
(コモカブラス とは、スペイン語で”キチガイ”の意味で、冬に畑を歩き回る山羊とかけています)
アルバリーニョ種で造られるワインの人気が世界的にも高くなり、生産が追いつかなくなり大多数の生産者はワインをじっくりと寝かす事なく出荷するようになりました。
酸が高く、長期熟成に向くアルバリーニョの本来のテイストとポテンシャルは、じっくりと数年寝かせた状態がベストとも言われます。
今では非常に少ない数のワイナリーのみが継続しているスタイルです。

ユーラシア大陸最西端の地で生き残ってきたローカルなクローンのアルバリーニョ、昔ながらの醸造方法でゆっくりと時間をかけ熟成され日本に届きます。
ユーラシア大陸の東と西の果てでそれぞれ魚介、酸味、旨味の文化が醸成されてきたことは非常に興味深いです。
日本の気質、気候、食材、調理法にホセのアルバリーニョは見事なマッチングを見せてくれるはずです。

(インポーター様資料より)

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